親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。
こんにちは! OKAMURA Lifestyle Storeのクオッカ店長です。
普段から椅子のことばかり考えていたら、すっかり椅子マニアになってしまったぼく。でも、世界には椅子だけでなく、いろいろな形で好きなものに愛を注ぐマニアがいるみたい……!
そこでこの連載では、椅子マニアのぼくがワークスペースを飛び出して、あらゆるマニアに「好きなものを愛でる楽しさ」を聞いていきます!
連載5回目にお話を伺ったのは、日本家屋の「縁側」を偏愛している成瀬夏実さんです。成瀬さんは縁側に特化した情報サイト「縁側なび」を運営しており、これまで回った縁側は全部で260軒以上というから驚きです。
縁側とは、主に日本家屋において和室などの部屋と屋外の間に設けられた板張りの空間のこと。縁側に腰掛けてお茶をしたり、お話をしたりと古き良き日本の伝統的な建築です。成瀬さんがなぜ縁側にハマったのか、また縁側の奥深い魅力についてたっぷりお話を伺いました。
成瀬夏実
縁側愛好家
2013年から日本全国の縁側を巡り、今までに訪れた縁側は260か所。縁側に特化したWebメディア「縁側なび」を運営し、その魅力を発信している。ほか、縁側ツアーや縁側写真展の開催など、多角的な活動を続ける。

クオッカ店長
クオッカ村出身の、クオッカワラビーの男の子。生粋の椅子マニアでOKAMURA Lifestyle Storeの店長を務めている。ほかのマニアがどんなことに夢中になっているのか、興味津々!
マンション暮らしだった成瀬さんが「縁側」にハマった理由

縁側愛好家の成瀬夏実さん
今回は成瀬さんのおうちにお邪魔させてもらいました! それにしてもすてきな縁側ですね!


元々は古民家で探していたんですが、住み心地などを考えると自分で作ってしまったほうが楽だなと。

縁側のサイズは幅130cm×奥行き50cm×高さ30cm。腰掛けたり寝そべったり、いろんなシーンで使える大きさにこだわり抜いた黄金比なのだとか。


好文亭の縁側(提供写真)

そこから縁側に興味を持ち始めて都内の縁側巡りを開始し、2013年7月に縁側の情報をまとめる 「縁側なび」を開設したんです。もっと多くの人に縁側の魅力を知ってもらえたらいいな、と。




とある夏、縁側でBBQをしたこともあるとか。七輪なのも風情がある……!(提供写真)

縁側の下を物置にするのも「縁側あるある」なんだそう
結婚式、ガラス製、田んぼの景色。印象に残っている縁側たち


「Nowhere but Hayama」(提供写真)



高砂ではなく、縁側で写真撮影!(提供写真)
縁側ってなんとなくみんな知っているけど、実際に腰掛けたことのある人は実はそんなに多くないのかなと。身の回りに縁側がないと、そもそも好き嫌い以前に興味を持たないと思うんですよね。情報発信だけではなく多くの人に体験してもらうことが大事だと感じ、古民家カフェなどの縁側を巡る体験ツアーを開催するきっかけにもなりました。


「Le Lotus Bleu」(提供写真)



「noie梢乃雪」の縁側(提供写真)
板の張り方にもバリエーションがある!


たとえば我が家のように板が建物に対して垂直に並べられているものは「切目縁(きりめえん)」と呼ばれています。これは現在でも目にするオーソドックスな形ですね。100年以上前の古民家だと、板の幅がすごく太い切目縁になっていることもあります。

成瀬さん宅の縁側は「切目縁」

成瀬さんが訪れた東京・下谷の「tocco」は榑縁(提供写真)
それから、武家屋敷や民家など、住んでいた人の背景によってもそれぞれ違いがあるので、歴史ある建物や古民家カフェなどを訪れたときはぜひ注目してほしいポイントですね。

まずは身近にある縁側に興味を持ってほしい

時代の変化に伴って、縁側のあるお家もだんだん少なくなっています。新築で縁側を設けるお家も減っていますが、みんなが縁側の魅力に気づくことでまた新しい縁側も生まれてくるかもしれません。


どうしても古民家は取り壊さざるを得なかったりして数がどんどん減っているので、縁側に出会うチャンスも少なくなってきています。縁側の魅力を多くの人に伝えて興味を持ってもらうべく、これからも発信を続けていきたいなと思っています。


「縁側なび」の更新や執筆活動の拠点は、ご自宅の書斎。新居を建てたときに購入したオカムラのチェア「フィノラ」が相棒なんだって! もう5年以上の付き合いだそうで、気に入ってもらえてうれしいなあ。窓からは山が見えるから、晴れた日は四季を楽しみながら気持ちよく作業ができちゃうね。タンブラーで飲み物を楽しみながら、ラジオをかけながら過ごすことが多いそう。成瀬さんのおうちは、書斎の居心地も最高だね!
取材・執筆=神田匠 写真=マスモトサヤカ 写真提供=成瀬夏実 イラスト=キタハラケンタ 編集=モリヤワオン(ノオト)
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